相続関係説明図は自分で作成できる?作るときの注意点を解説
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相続が発生した際、法務局での不動産登記や銀行での預貯金解約手続きにおいて「相続関係説明図」の提出を求められることがあります。
相続に不慣れな方にとっては聞き馴染みのない書類ですが、インターネット上では「自分で作成可能」という情報も散見されます。
結論から申し上げますと、相続関係説明図はご自身で作成することは可能です。
しかし、単なる「事務作業」として軽く見て進めると、後々取り返しのつかない法的リスクや、膨大な時間的ロスを被る可能性が極めて高いのが現実です。
なぜ専門家への依頼が推奨されるのか、数百件に及ぶ相続関係説明図を作成してきた筆者が、自作のプロセスに潜む真のリスクとともに徹底的に解説します。
相続関係説明図とは何か

相続関係説明図とは、亡くなった方(被相続人)を起点として、誰が配偶者で、誰が子供であり、最終的に誰が相続人となるのかを系図形式で示した図面のことです。
この図面には、単なる家系図としての役割だけでなく、「法律的に正当な相続人が誰であるか」を法的に証明するという極めて重要な機能があります。一度法務局で認証された相続関係説明図は、その後の相続手続きにおいて、何度も戸籍謄本を出し直す必要がなくなるというメリットがあります。
自分で作成する場合のステップ

自作を試みる場合、最低限以下の工程を完璧にこなす必要があります。
- 戸籍の徹底収集: 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍)をすべて取得します。
- 相続人の確定: 収集した戸籍を読み解き、隠れた相続人(前妻との子や、認知した子など)がいないかを完全に洗い出します。
- 図面作成: 法務局の規定する様式(A4判、一定の枠組みや線の引き方のルール)に従い、正確に作図します。
- 校正と提出: 作成した図面を戸籍と照らし合わせ、不備がないかチェックした上で法務局へ提出します。
なぜ「専門家への依頼」が圧倒的に有利なのか(3つの決定的な理由)
「自分でやれば無料」と安易に考えることは、リスクと対価のバランスを誤る典型的なケースです。専門家に任せることで得られるメリットは、単なる作業代行以上の価値があります。
① 「見落とし」が招く壊滅的なリスク
戸籍の読み取りは、プロでも細心の注意を払う作業です。特に古い時代の戸籍は手書きかつ崩し字が多く、読み間違いが多発します。
- リスク: もし相続人を一人でも見落としたまま遺産分割協議を行い、不動産の名義変更を済ませたとします。後からその相続人が現れた場合、遺産分割協議そのものが「無効」となり、すべての手続きをやり直すことになります。 専門家は、法的根拠に基づき相続人を確実に確定させるため、この致命的なリスクを完全に排除します。
② 圧倒的な時間短縮と精神的疲労の軽減
相続手続きは、相続関係説明図の作成だけではありません。膨大な戸籍の取り寄せ、遺産分割協議書の作成、印鑑証明書の収集、法務局との折衝など、業務は多岐にわたります。
- メリット: 大切な家族を亡くされた直後の時期に、慣れない法的手続きに忙殺されることは精神的にも大きな負担です。専門家に任せれば、すべての事務手続きから解放され、遺族は故人を偲び、今後の生活基盤を整えるための重要な決断に集中できます。
③ 法的手続きの「確実性」と「スピード」
銀行や法務局の審査は厳格です。少しでも形式や内容に不備があれば「補正」を求められ、何度も銀行や法務局へ出向く羽目になります。
- 価値: 専門家は、各法務局の運用に精通しており、一度の申請で確実に受理される書類を作成します。自分で何度も役所や法務局を往復する労力と時間を考えれば、専門家への報酬は、「時間を買う」ための合理的な投資であると言えます。
相続関係説明図を自分で作成しても良い人
相続関係がシンプルな人: 被相続人(亡くなった方)の配偶者と子のみなど、家系図が単純な場合。
時間が確保できる人: 役所へ戸籍謄本を取りに行く時間や書類の出戻り、相続人の調査に時間を割ける場合。
学習意欲がある人: 相続のルール(法定相続分や代襲相続など)を調べ、正確に作成することに抵抗がない場合。
費用を抑えたい人: 専門家への報酬(数万円〜)を節約したい場合。
相続関係説明図作成を専門家に依頼した方が良い人

相続関係が複雑な人: 被相続人に前妻との子供がいる、兄弟姉妹や甥・姪まで相続人が広がるなど、戸籍の追跡が困難な場合。
遠方の役所が多い人1: 転籍を繰り返していたり、本籍地が遠方で郵送でのやり取りが重なる場合。
平日に動くのが難しい人: 役所の開庁時間は基本的に平日昼間であり、仕事などで対応が困難な場合。
他の相続手続きも任せたい人: 不動産の相続登記(司法書士)や、預貯金の解約手続き(行政書士等)など、一括して代行してもらいたい場合。
心理的負担を避けたい人: 親族間で関係が良好でない場合や、作成ミスによる修正の手間を確実に避けたい場合
相続手続きは「一度きり」の法的プロジェクト
相続関係説明図の作成は、ただの「図を書く作業」ではなく、今後の人生における財産分与の根拠となる「法的プロジェクト」です。
- 「節約」のために自作し、将来の紛争リスクを残すのか。
- 「専門家の知見」を活用し、完璧かつ迅速に手続きを完了させるのか。
結果として、専門家に依頼することが最も安全で、かつ精神的な安心を得られる賢明な選択肢となります。
当事務所では、相続の専門家が責任を持って戸籍調査から相続関係説明図の作成、遺産分割協議書の作成、他士業への円滑な引継ぎ複雑な相続関係でお悩みの方や、手続きに時間を割く余裕がない方は、ぜひ一度プロの視点による診断を受けてみてください。

